エイズにかかると死ぬのは確定?

HIVは一回感染してしまうと、身体の中から排除することができないウイルスです。
HIVは人間の免疫機能を破壊し、それによって普段感染することがないような細菌やウイルスに身体が蝕まれます。
これを日和見感染と言いますが、この状態になると「エイズ」として診断されます。
HIVウイルスそのものが原因で死ぬことはなく、死ぬ原因はこうした合併症によるものです。

エイズ発症となっても100%死ぬわけではありません。
その時に発症している症状や状態によっては治療によって回復する見込みもあります。
ただエイズ発症前に検査をして治療を開始していたケースと比較すると、健康な身体を維持することは難しくなるでしょう。
治療が遅れれば遅れるほど重篤な症状になることも多いため、エイズとなる前に治療を開始することが重要です。

HIVは現代の医学では完治させることはできないものの、症状を薬でコントロールができる「慢性疾患」のような病気になっています。
薬を飲み続けて体内のウイルス量をコントロールしていれば免疫を維持することができ、日和見感染を引き起こすことはありません。
コントロールするためには適切な量、適切な時間に服薬を行って、血中の有効成分の濃度を一定に保っておく必要があります。
こうした投薬は一生続けなくてはなりませんので、一度感染してしまうと生活リズムを規則的にする必要も出てきます。
薬を飲み忘れてしまうとウイルスが薬剤に対する耐性を持ってしまうことがあり、治療が難しくなることもあります。

HIVの検査は地域の保健所や医療機関で行うことができ、無料、匿名で行えるところも数多く存在しています。
中には即日で結果がわかる検査を行っている医療機関もあります。
HIVの場合ウイルスに感染してから検査で検出ができるようになるまでのウィンドウ期は、およそ2週間程度です。
心配な出来事があっても直後では正しい検査結果が出ないことに注意が必要です。

昔と比べてエイズの研究はどれくらい進んでいる?

人間が初めてHIVに感染したのは1930年ごろのアフリカで、チンパンジーが感染していた猿免疫不全ウイルスが人間に感染するように変異したことが原因という説が有力です。
チンパンジーやゴリラのような類人猿は人間とDNA構造も近く、こうした類人猿が感染するウイルスは将来的に人間にも感染するよう変異する可能性があります。

HIVの研究を進める上で、発祥起源を探ることは非常に重要です。
人間が感染するHIVにも現在2種類が存在しており、そのうちの1つがゴリラなどの類人猿起源とされています。
初めての感染は今から90年近く前のことになりますが、感染が広まったのは1980年代アフリカ中央地域とみられています。
当時は皮下注射器の使いまわしが感染原因の大部分でした。
当時から現代にいたるまでHIVの感染力はそれほど変わっておらず、感染経路としては体液や血液、母乳などの分泌物によるものです。

研究はまだ進化を遂げている途中ですが、現代ではウイルスを完全にコントロールすることも可能となっており、変異が起きないように注意をしていれば寿命を全うすることも可能です。
また、数十年経てばウイルスも完全に身体から消滅するという説もあります。
最近では実際に完治させた例もありますが、もともとチンパンジーが感染していたサル免疫不全症候群ではチンパンジーがエイズになることはなく、チンパンジーには何らかのウイルスに対する抵抗力があることも確認されています。
こうした研究を続けることによって、人間に感染するHIVを身体から完全に排除する方法を見つけられることが期待されます。
世界には現在3700万弱のHIV感染者がいるため、さらなる研究成果と製薬に期待されています。